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流行と古典化

先の爆笑問題の

「大衆に受けるか受けないか・・・」

の話の際、

少し思い出しかけて忘れていたものを、

少々のきっかけがあって・・・

思い出した。

20年くらい前にベストセラーになった

外山滋比古氏の

「思考の整理学」

この本自体は、

頭の中に知識を入れようとしたり、

入れた知識を元に思考したり、

それを発展させたり~という

知的生活でのアイディアであったり、

発想の提案が書かれている本である。

が、

思い出したのは、その中の

「時の試練」

の章である。

これは決して先ごろ書いたような

「本物」であるか「偽り」であるか・・

ではない。

しかし、「偽り」ではないまでも、

その視点が

「刹那的」なのか

「永遠」なのか?

を問うものと、

それを理解する側の‘眼’なのである。

大正時代、天才という名を欲しいままにした

島田清次朗という作家。

(今では‘作家’と書かなければ、何をした人なのか

わからない)

当時、疑問や批判の的になっていた

夏目漱石。

大正の中ごろに、

現在の夏目漱石の評価を予測しえた人は

ほとんどいなかった・・・らしい。

それほど、

人々の「眼」というのは、

慣れ親しんだ中での逸品しか

理解することが困難である・・・

ということなのだ。

著者は

「流行の眼がね」と称する。

過去の産物と現代知り得る安心の中では、

なかなか真の価値を見出すことを

ためらわせる・・というのだ。

真の価値あるものは、

それは・・過去から延々と続いてきた

「時の試練」を経て

辿り着く(古典化)ものだ、と。

「時の試練」を潜り抜けて古典化されてこそ、

人々の

価値も安定する・・・と。

つまり、「現在」真っ只中で

(大正時代のように)

価値を見極められない・・。

もちろん、

それは・・結果なので、

誰しもが納得するのであるが、

著者の面白い提案はココカラだ。

では、「現在」真っ只中で、

まだ、新しいものが怪奇な姿のまま、のうちに、

「時の試練」を経る前のものを、

どうしたら、

少しでも‘時の試練’を自ら課し、

「古典化」に近づけることができるのか?

の提案が面白い。




自分の中で

忘却を促進して、「古典化」を早める・・

というのだ。

コレってスーパーマンが

瞬時に地球を何周もして時を止めるみたいな???

(違うか・・?)

細かな部分は是非、原本から

読み取っていただきたいのだが、

私が注目したのは~~~~

作品についての

事後承諾の評論に終わらせることなく、

読み手側の「古典化促進」

~~~~今後、本物となるものを見つける努力

をしようじゃないか?~~~~~

・・・というような、受け手側への

提案が書かれていることである。

つまり、

「時の試練」を潜り抜ける前の作品を

‘時の流れ’だけにまかせずに、

既に読み手の努力と能力で

少しでも「古典化」を促進して判断しようじゃないか?

と言う提案。

最終的には著書全体に流れる

「思考の整理には忘却が一番」

という結論に集約されるのだが・・・

「古典化」の終わった秀作、

そして、現在の「流行」

これは、誰もが納得が安易であるし、

納得すら必要としない。

しかし、「現在」に生きる者として、

作り手も、受け手も、

やはり、安易に流されず、

未来に向けての「本物」を

見つけたり、

目指したり~~

という困難さを

手放すのは・・・・

つまらない。




「忘却」でそれができるなら、

私なんぞ年齢的にも得意中の得意なんだが・・・・

そうじゃなくて!!!

私が思うには、

常に新鮮な興味を持てる

感受性を失わない~~

ということだろうか。




「慣れ親しんだ眼がね」

「気楽な眼がね」

をかけない

素の眼で

対峙する~~~~~

それを困難と思わない弾力のある感性。

ただし、

この場合の感性とは

持ち合わせている感性ではなく、

自ら努力し、作り出す感性である。





しかし、

20年も前に読んだ時と、

まったく違う箇所が気になるのは・・・・

人間もまた生身で

「時の試練」を

経ている・・ということに他ならない~~~~。

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